白銀の女神 紅の王
「ふっ……っく………。」
捨てられるのが怖い。
シルバに、お前などもう利用価値もないと言われるのが怖い……
あの紅の瞳に、冷たい視線を向けられたらと思うと、胸に鋭い痛みが走る。
私じゃダメなの……?
私じゃ貴方の力になれない……?
いつからだろう、こんな感情が芽生えたのは。
いつからだろう、この国を再建しようとしている貴方の力になりたいと思ったのは。
いつからだろう……
冷酷で、冷徹で、紅の瞳が向ける視線は、やっぱり怖くて。
けれど、ふとした時に不器用な優しさを見せる貴方を…
こんなにも好きになったのは……
「ひっく……ふっ……。」
やっと自分の想いに気付いたのに、そこには甘い展開などなく。
溢れてくるのは涙ばかり。
所詮、私はお金で買われただけの人間。
一応は、シルバの妻だけれど、それも、この能力がなければありえない話だ。
私は、シルバに捨てられるのかな……?
それとも、大金を積んで買ったから、手離すのは惜しいと思ってくれる?