白銀の女神 紅の王
「今日は、後宮には帰らない。先に寝ていろ…と。」
「ッ………!」
瞬間、目の前が真っ暗になった―――
息を飲んだまま、吐き出す事も忘れ、呼吸が苦しくなる。
鼻がツーンと痛く、目に熱いものが込み上げる。
なんで嫌な予感だけは当るのだろう…
「シルバ様の代わりに、今日は、後宮の周りに護衛のものをつけております。」
そう言ったニーナの向こう側には、護衛の人が数人いた。
「分かり…ました……。」
俯いたままポツリと呟く。
そして、唐突に口を開く。
「ニーナ、側室と正室ってどう違うの?」
「ッ……それは……。」
途端、言いづらそうに口をつぐむニーナ。
「お願い…教えて。」
家臣たちの言い回しが、気になってしょうがなかった。
すると、ニーナは私の押しに負けたのか、主の命には逆らえないのか、躊躇いがちに口を開いた。