白銀の女神 紅の王



「……正室とは、夫となる人の正妻の事を言います。そして、側室つまり妾は、二番目の妻ということですから、愛人となるのです。」

「ッ…………。」

ニーナの言葉に、息をするのも忘れる程に驚愕した。




「あ、あの…エレナ様。」

頭が真っ白で、ニーナの声もぼやけて聞こえる。



「ごめんなさい……。一人に…して……。」

何か言いたそうなニーナの言葉を遮って、そう言う。

ニーナごと外へ押しやる様に扉を押せば、ぐっと言葉に詰まったニーナは何も言わず、後宮の外へ押し出される。





パタンッ―――――

再び、後宮に静寂が戻った。






ポロッ――――

「やっぱり…わたし、捨てられるのかしら……。」

呟いた言葉に、溜まっていた涙が零れ落ちる。

勇気を出して、シルバに聞いてみようと思ったのに。

シルバに聞くまでもなく、思い知らされた。



“今日は、後宮には帰らない”



きっと……イザベラさんの所に行ったんだわ。





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