白銀の女神 紅の王
ニーナが言いにくそうにしていたことが、それを物語っている。
トンッ――――
扉に背を預け、ずるずると床に座り込む。
「わたし…愛人だものね……っ。」
きっとウィルは私が傷つくと思ってこの事を言わなかったんだわ。
けれど、あの時言ってくれていた方が良かった。
今それを知るには、あまりにも辛すぎるから……
これで、私が妾になったことも納得いった。
公爵家出身とは言え、私は捨てられた身。
今は爵位さえない只の娘だ。
しかも、この容姿……
家臣たちがイザベラを正妻に…と言うのも頷ける。
私が妾なのも、イザベラが正妻に相応しいのも納得はする。
……けれど、それに気持ちがついていかない。
「ふっ………。」
視線がぼやけ、瞳に涙が溜まる。
それが零れ落ちるとともに、声を上げてしまいそうになった時―――