白銀の女神 紅の王
「後宮に入れるつもりはない。」
キツイその匂いに眉を寄せながらそう言う。
「けれど、家臣たちは皆私を陛下の妻にとおっしゃっております。」
余計な事を……
それもこれも、いきなり王城に連れてきたエレナを妾にしたからか?
エレナを妾にした理由も、単に、その方が動きやすいと思ったからだ。
だが、恐らくこの女は……
頭をよぎった考えを遮る様に、女が口を開く。
「それに、エレナ様よりも私の方が陛下の妻に相応しいと思うんです。」
女の言葉に、ピクリと反応する。
「私には伯爵と言う爵位もありますし、家臣や国民たちも、その方が納得するのでは?」
胸元の広く開いた胸を押しつけて話す女。
「それに、エレナ様のあの容姿。あれでは、表に出すのも恥ずかし…「黙れ。」
女の言葉を遮った声は、恐ろしく低く響いた。
自分の腕に絡ませていた女の腕を振り払い、侮辱の視線を浴びせる。
「お前を正室に迎える気もなければ、妾にすらするつもりはない。」
女の言葉と、家臣たちの言っていた戯言を真っ向から否定する。