白銀の女神 紅の王



姿を捉えて、無意識にほっと安堵しながらもソファーへ近付く。


またソファーで寝たのか。

最近はベッドで眠っていたのに、何故またここなんだ?


ソファーの上で、体を抱え込むようにして眠るエレナに、疑問が沸く。


ふと、顔を見れば、苦しそうに眉を寄せている。

改めて見てみれば、何も羽織らずに眠っているエレナ。


もしかして、寒いのか……?

体に触れようと、膝を折った時―――


「ッ………。」

エレナの目元は赤く、頬には泣き腫らしたように濡れる涙の跡があった。

白い肌に影を落とす長い睫毛は、未だしっとりと濡れている。

この様子では、泣き腫らして眠ったのだろう。


何が、異常はない…だ。

扉の外の護衛に、内心悪態をつく。




目尻から涙がつたう頬に手を滑らせれば―――

「んっ……。」

と小さく声を上げるエレナ。



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