白銀の女神 紅の王



えっ……―――――


突如訪れた事実に、愕然とする。



目の前には、ニーナの期待に満ちたいつもの視線。

朝食に食べたいものを当ててもらいたくてウズウズしている様子。

いつもは微笑ましいその光景も、今日は微笑み返す事も出来ない。



だって……


なにも……みえない……――――

フォレスト伯爵の心を読んだ時の様な嫌な感覚はなかったけれど、何も見えなかった。






ドクンッ――――

ドクンッ――――

体の内側で響く心臓の音が、耳まで聞こえてきそうなほどの動揺。



「エレナ様……?」

不思議そうに自分の名を呼ぶニーナに、ハッと我に返る。



「あっ…ごめんなさい。ぼーっとしてて。」

渇いた笑みが浮かぶ。

ニーナは、幸か不幸か、私の様子には気付かず、頬を膨らませて…



「またですか?もぅ…じゃぁ、もう一度いきますよー?」

そう言って、こちらを見つめながらニコニコとする。

きっと今、ニーナの頭の中は、再度今日の朝食に想いを馳せているのだろう。



しかし―――――



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