白銀の女神 紅の王



その日の午後―――


いつもは、中庭に出て、ニーナ達侍女とお茶をしている時間なのだが…

今日は、一人で後宮に閉じこもっていた。

ニーナは今、城下へ買い物に行っている。


そして、シルバは……

イースト地区の暴動の収拾と、国境付近の視察に行くために、王城を出たそうだ。



正直、ほっとした。

シルバのあの紅の瞳に見つめられると、隠している事も明るみに出てしまいそうだから。

今日中には帰ると言っていたけれど。



こんなにも、シルバと顔を合わせるのが怖いなんて……



コンッコンッ――――

不意に、後宮の扉が叩かれる。


……誰だろう?

ソファーから立ち上がり、扉へ近付く。

ニーナは先程城下へ出かけたばかりだし。


護衛の人……?



「はい……。」

小さく呟き、自ら後宮の扉を開く。



そこに立っていたのは――――


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