白銀の女神 紅の王



しかし、イザベラは迷うことなく答える。


「私はジェスの子供の頃からの友人なの。」

「友人……?」

友人…という言葉に、少し警戒は薄れるが……

地下に監禁されていた頃、ジェスの友人の話は聞いた事がなかった。



嘘をついているのかもしれない。

そう思って、イザベラの反応を待つ。


「えぇ。貴方は地下室に監禁されていたから知らないでしょうけど、ジェスと私は城下で良く会っていたのよ?」

ウォルターさんの目を盗んでね…と、言って笑うイザベラ。



「…………。」

ウォルター様の事を知っていると言う事は、やっぱり嘘じゃない?

けれど、それならば疑問がある。



「貴方は確かイースト地区出身で、中央には来たばかりだと……。」

怪しむように聞けば、イザベラはケロッとした顔で話す。


「あぁ、アレは嘘よ。伯爵家出身で、両親が死んでいると言うのは本当だけれど。私は随分前からこの中央区にいたわ。」

ハッキリと嘘と認めてしまったイザベラ。

けれど、何故、伯爵出身のイザベラとジェスが知り合いなのか。

監禁されていた私には、ジェスが城下でどんな人と交友関係を持っているのか知らない。



二人がどういう経緯で友人になったのか考えていると……



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