白銀の女神 紅の王
混乱している私に、イザベラは更なる衝撃をもたらす。
「ジェスが、貴方をここから助けようと計画していた事が陛下にバレたのよ。」
「ッ……!そんな……。」
私をここから助ける計画……?
もしかして……ッ!
『エレナ、君を絶対あそこから助け出すよ』
城下の宝石店でジェスに言われた事を思い出す。
まさか、本当に行動に出るとは思わなかった……
「それで、今、ジェスはどこに……。」
あの時、もっと強く止めていれば良かった。
後悔しても、もう遅いけれど…
「イースト地区へ逃げているわ。あそこは混乱状態だから、それに紛れてね。」
「ッ……!シルバはイースト地区へ行ったわ。」
イザベラの言葉に、思わず声が大きくなる。
すかさず、イザベラが「しっ…」と口の前で指を立てるのを見て、慌てて口元を押さえた。
「……ごめんなさい。」
護衛が扉一枚隔てた向こう側にいるのを忘れていた。
それよりも、ジェスの身が危ない……
国王直属騎士団はとても優秀だとニーナから聞いた事がある。
そんな人たちから追われていたら、ジェスもあっという間に捕まってしまうわ。