白銀の女神 紅の王



「ジェスは貴方を逃がす為に私をここへやったの。ジェスを助けられるのは貴方だけよ。」

優しく、諭すような声でそう言うイザベラ。



「けど…私は、ここから動けない。シルバの命なしに、この王城は離れられない。」

否、シルバの命を理由に、私が王城から離れたくないのかもしれない…

けれど、国王直属騎士団に追われているジェスの事も気がかりだった。



私は、私が見てきたシルバを信じたいけれど……


もし、イザベラの言う事が本当だったら?

もし、本当にシルバがジェスを討とうとしているなら?


初めて会った賭博場で、紅の瞳をギラつかせ、獰猛な笑みを浮かべたシルバが頭にちらつく。




「あら、貴方はもう、この王城から離れられるのよ?」

不安に苛まれているところに、イザベラが更なる追い打ちをかける。



「貴方がここに来たのは、人の心が読める能力があるから連れてこられたのでしょう?」

「ッ…………。」

含みのある笑い方に、息を飲む。



まさか………

私が能力を使えない事がバレた……?




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