白銀の女神 紅の王



「だったら、もう貴方はこの王城に縛られる必要はなくなったわ。」

ゴクリと唾を飲み込み、緊張の時を待つ。



イザベラが妖艶に笑ったかと思えば―――

「だって、これからは私がいるんですもの。」

「え………?」

思っていた言葉とは違い、意表を突かれる。

私がいなくとも、イザベラさんがいるから、大丈夫ということね。



良かった………

バレテいなかった事に、ほっと息をつくも、続いた言葉に衝撃を受けた。



「大丈夫、私が陛下を支えていくわ。良きパートナーとして、そして、良き妻として。」


隣に座るイザベラに手を取られ、そう言われる。

綺麗に微笑むイザベラから目が離せない。


……パートナー?

………妻?

イザベラの言葉がゆっくりとスローモーションで耳に入る。

まるでそれを理解するのを恐れるようにゆっくりと……



嫌だ………知りたくない……

頭はその意味を理解したくないと訴えていたが、残酷にもそれはすぐに突き付けられた。




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