白銀の女神 紅の王


シルバの傍にいられるなら、妾でもいいと思った理由。

それは、能力を使って、シルバに尽くす事が出来るから。

それが例え、反逆者を捕らえるために利用されるのであっても。

この国の再建と復興の為に動く、シルバの助けになりたいと思ったから……


けれど……



今はそれも叶わない…ッ……

“能力”という利用価値のなくなった今の私は、シルバにとって何の意味もない人間になり下がった。


そんな私をシルバは、まだこの王城に置いてくれる?



答えは、否だ。

けれど、一度は口に出して言いたい……


「私は……王城にいたいの……。」

シルバの傍に…と、心の中で口にする。

すると、イザベラはすかさず口を開く。



「ジェスが貴方を待っていることを忘れないで。」

「分かり…ました……。」

私が素直に承諾したことに、イザベラが驚く。

答えは最初から決まっていたから。

あれは、私の我儘。

シルバに伝えられない想いを、一度は口に出して、素直に言いたかっただけだから……



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