白銀の女神 紅の王
「シルバ様、申し訳ございませんがいくらお金を積まれようと、エレナをやるわけにはいきません」
なぜそんなにも私に固執するのだろう…
ウォルター様にとっての私の必要性はお金儲けに利用すること。
男がいくらでも良いと言っているのだから賭博で稼ぐより早いではないか…
それとも他に理由があると言うの?
けれど今はそんなことを考えている暇はない。
このシルバと言う人に連れて行かれるくらいなら、ここで働いていた方が良い。
ジェスもいるし…何よりこの男を恐れている自分がいたから。
しかし…僅かな希望は男の言葉によって脆くも崩れ去ることになる。
「お前は自分の立場を理解していないらしい」
男が冷笑を浮かべ静かに口を開く。
「俺はこの女を引き渡すだけで許してやると言っているんだ」
まるでこれ以上の説明が必要か?と言わんばかりの口ぶり。
完全にウォルターを馬鹿にしている。