白銀の女神 紅の王
すると、イザベラは目をパチパチさせ…
「エレナ様ですか?私は存じ上げませんが…。」
「惚けるなッ!」
女の態度に、頭の中でプツンと何かが切れた。
俺は何を焦っている……と頭の端では冷静に思いながらも、気付いた時には声を荒げていた。
しかし、依然としてイザベラは笑みを崩さず……
「本当でございます。私は、陛下の味方でございますよ?」
グッと距離を詰めて、潤んだ瞳で見上げるイザベラ。
そんな手が俺に効くと思うのか?
「味方とは笑わせる。………ならば、何故能力を偽ってでも、この王城に来た。」
「ッ……偽ってだなんて聞こえが悪いですわ、陛下。私はちゃんと、能力を証明したじゃありませんか。」
一瞬答えに詰まったが、先程と同じような口調で答える。
これくらいでは、表情も崩さない…か。
しかし、次は言い逃れさせない。
「あのキャロル・カーライルとか言う男と組んで…だろう?」
イザベラがピクリと反応したことに、獰猛な笑みが浮かぶ。
「お前は、持ってもいない能力を証明する為に、共犯者を抱き込んだ。それがあの男、キャロル・カーライルだ。そうだな?ウィル。」
「はい、キャロルに取り調べをしたところ、認めました。」
「ッ………。」
今度は、完全にイザベラの表情が崩れた。