白銀の女神 紅の王
このまま一気に崩す。
続けろ…という視線をウィルに送れば、ウィルが頷き、口を開く。
「彼は、前王アイザックスの残党討伐で負傷を負いながらも、只一人だけ帰還したことで、周囲から疑いの眼差しを受けていたそうです。その為、イザベラさんと組んで、シルバの信頼を得て、疑いを晴らしたかった…と。」
それは、イザベラの能力を試す試験から、薄々感じていた事。
ウィルに調べさせて正解だった。
キャロル・カーライル、馬鹿な男だ。
こんなことで、俺の信頼が得られるだと?
どうせ、心が読めるというイザベラを利用して、自分を売り込もうとしたのだろう。
「どうだ?これでも否定するのか?」
イザベラが諦めたように俯く。
証拠も取れた、裏も取れた。
言い逃れは出来ないはずだ。
鋭い視線でイザベラを見ていれば、肩を震わせ始める。
……今度は泣き落としか?
しかし、顔を上げたイザベラの表情には、微塵も悲しみの表情などなかった。
「あはははは、あー可笑しい。」
腹を抱え、耐えきれないと言うような笑い方をするイザベラ。
昨日、王座の前で品のある風格を見せた女とはまるで別人だった。