白銀の女神 紅の王
「飼い犬に一杯喰わされたな。」
ククッと、デュークがこの場に相応しくない笑みを浮かべる。
冷やかすデュークに、ウィルが睨みを聞かせながら、口を開く。
「恐らくエレナさんは……。」
「フォレストの所だろうな。」
先程まで声を荒げていたのが不思議なくらいに、冷静に呟く。
「そして、フォレストの目的は、エレナの能力だ。」
薄々確信は得ていたのだろう。
ウィルとデュークは顔色一つ変えず聞いている。
「恐らく、向こうも俺たちと同じ考えだったのだろう。」
フォレストはブレイムの配下のウォルターを通じてエレナの事を知り、手に入れようとした。
エレナの能力を利用して、反逆を目論む為に…
「奪い返すんだろ?」
デュークがあの挑発的な視線をよこす。
「当たり前だ。アレは俺のものだからな。」
そう言えば、フッと笑みを浮かべるデューク。
「では、明日はフォレスト伯爵家にお邪魔するとするか。」
「いや、奴はもう屋敷にはいないだろう。」
イザベラがこの王城にいるということは、俺たちに捕まったと予想するだろう。
そして、イザベラが口を割った時の事を考えて逃亡するはずだ。