白銀の女神 紅の王
「屋敷にいないならどこへ逃げるんです?」
ウィルは恐る恐る聞く。
もう、答えなど分かっているだろうに…
そう………
奴らが逃げ場を求める場所は一つ―――
「ギルティス王国だ。」
苦虫を潰したような表情をする、ウィル。
それと対照的に、新たな獲物を見つけた時の様な笑みを浮かべるデューク。
「明日の早朝、イースト地区にあるギルティス王国との国境線へ向かう。」
執務室の机に預けていた体を浮かせ、立つ。
「国境線を越えられる前に、奴らを捕らえるぞ。」
「捕えるだけか?」
デュークが、ニヤリと獰猛な笑みを見せる。
「もちろん、俺に刃向った礼はさせてもらうさ。」
つくづく、こう言う時だけデュークとは気が合うらしい。
まだ見ぬ獲物を思い浮かべながら笑っていれば…
「言っておきますが、捕らえるだけですからね!」
不穏な空気を察知したウィルが、すかさず横やりを入れる。
「分かっている。では、出発は明日の早朝だ。それまで休め。」
敵も日が沈んでいるうちは動けないはず。
焦る必要はない……