白銀の女神 紅の王
「友達?ハッ…笑わせるな。俺はお前の監視役だ。」
口の端を吊り上げ、見た事もない様な表情で笑うジェス。
一人称も“僕”ではなく“俺”。
ジェスに双子の兄弟がいるのではないかと言うくらい、私の知っているジェスとは全く別人だった。
「私が彼に命じて、貴方の監視についてもらっていたのですよ。」
「なぜ、監視なんて……。」
私はずっとジェスを通じて、フォレスト伯爵に監視されていたと言うの?
いつから……?
目的は……?
「私は、ずっと前から貴方を見守っていました。貴方がウォルターに買い取られた時からずっと。」
「10歳の頃から……?」
そんなにも前から……
フォレスト伯爵の狂気じみた瞳に、僅かながら怯む。
「えぇ。そして、ウォルターの下で貴方の能力の実験をしていました。」
「賭博場の賭けに私の能力を使わせたのは、貴方の指示だったの?」
そう問えば、えぇそうです…と頷くフォレスト伯爵。
「貴方の能力は本物か、実際に使い物になるか…などのね。」
「ジェスを監視役につけたのは……?」
監視役なら、ウォルター一人で十分なはず。
私には他に行くあてもなかったし、あの賭博場に監禁されていたのだから。