白銀の女神 紅の王
「能力を安定させるためです。」
能力の安定……?
フォレスト伯爵の言っている意味が分からなかった。
疑問符を浮かべていれば、説明しましょう…と、フォレスト伯爵が口を開く。
「実験の結果、貴方は精神状態によって、能力に乱れがある事がわかりました。」
それは、身に覚えがある。
と言うよりも、今まさにその状態だから…
「監禁状態だという事もあって、あの賭博場ですごすには、ストレスがありすぎる。だから、貴方に“友人”という、心のよりどころを用意したのですよ。」
まるで、“良い案だったでしょう”と言わんばかりの笑み。
「俺はお前の為に用意された、“偽の”友達だったわけだ。」
ジェスの言葉に、鈍器で殴られたような衝撃を受ける。
何のためらいもなく、絆を断ち切るジェス。
「そんな………っ…。」
今まで起きた、どんなことよりもショックだった。
ジェスが本当の友人ではなかったなんて……
今まで、どんなに嫌な事が合っても、ジェスが優しく微笑んでくれるだけで元気になれた。
私の大切な支えになってくれた、たった一人の友達だった。
ジェスだけは私の味方だったでしょう?