白銀の女神 紅の王



「能力を安定させるためです。」

能力の安定……?

フォレスト伯爵の言っている意味が分からなかった。


疑問符を浮かべていれば、説明しましょう…と、フォレスト伯爵が口を開く。




「実験の結果、貴方は精神状態によって、能力に乱れがある事がわかりました。」

それは、身に覚えがある。

と言うよりも、今まさにその状態だから…



「監禁状態だという事もあって、あの賭博場ですごすには、ストレスがありすぎる。だから、貴方に“友人”という、心のよりどころを用意したのですよ。」

まるで、“良い案だったでしょう”と言わんばかりの笑み。



「俺はお前の為に用意された、“偽の”友達だったわけだ。」

ジェスの言葉に、鈍器で殴られたような衝撃を受ける。

何のためらいもなく、絆を断ち切るジェス。



「そんな………っ…。」

今まで起きた、どんなことよりもショックだった。

ジェスが本当の友人ではなかったなんて……




今まで、どんなに嫌な事が合っても、ジェスが優しく微笑んでくれるだけで元気になれた。

私の大切な支えになってくれた、たった一人の友達だった。



ジェスだけは私の味方だったでしょう?



< 316 / 531 >

この作品をシェア

pagetop