白銀の女神 紅の王
私の監視役から解放されて、清々している…と言った様子だ。
「俺の演技は、どうだった?…まぁ、その驚いた様子じゃ、少しもバレていなかったようだが。」
フッ…と笑うジェスに、ズキズキと胸の痛みが増す。
あぁ……もうダメかも……
だんだんと、涙腺が緩み、今にも涙が溢れてきそう。
「今日でこの演技も終わりだ。友達ごっこは、なかなか楽しかったよ、エレナ。」
これが、最後の決め手となった―――
もう、私の知っているジェスは帰ってこないのね。
「ジェス……。」
私は只、ジェスの名を呟き、涙を零した。
力なく項垂れて、突っ伏した地面は、冷たかった……
「話しは終わりましたかな?」
私が黙ったところで、間に割って入るフォレスト伯爵。
「今のお話の通り、私は10年間も貴方の成長を見守って来ました。その理由はもうお分かりですね?」
フォレスト伯爵はこちらに答えを求める様に問うが、私は涙を流したまま、地面に横たわっていた。
「私がアーク王国の国王になる為に、協力してもらいますよ?エレナ様……。」
私が…協力………?
フッ……と小さな笑みが零れる。