白銀の女神 紅の王



「シルバ様エレナを連れていくのはお許しください」

手をギュッと握りしめながら声を振り絞るジェス。

きっとジェスもウォルター同様、この男に怯えているのだろう。




「ジェス……」

こんな私を引きとめようとしてくれるジェスに心が温かくなる。

しかし、私を抱えている男は面倒だとばかりに盛大な溜息をついた。


「どいつもこいつも、聞き分けのない奴ばかりだ」

そう言って私を片腕で抱えたまま腰に下げていた剣を抜く。

銀色の刀身に金の装飾のされたその剣が向けられたのは大切な友人。



「体に教えねば分からぬらしい」

低く唸るような声で言う男に躊躇いはない。


「やっ…やめて……ッ!」

今にもジェスを切り裂きそうな男に、悲痛な声で叫ぶ。

そして剣を持つ腕にしがみついた。


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