白銀の女神 紅の王



「試すのなら、他の者で試していただかなければ。」

「それは…どういう意味ですか?」

ニヤリと笑うフォレスト伯爵に、恐る恐る問う。




「私は、閉心術を会得していますので、貴方の能力は効きません。」

「へいしん…じゅつ……?」

聞いた事もない言葉に、疑問符が浮かぶ。



「心を閉ざす術の事ですよ。言葉の通り、自分の心を閉ざし、相手に自分の思惑を読まれないようにするための方法の事です。」

「ッ………!」


そんな事が可能なの……?

けれど、身に覚えがあった。



それは、あの宴の夜。

宴に来たフォレスト伯爵の心を読もうとしたけれど。

見えるのは真っ暗な闇だけで、一向に心を読む事が出来なかった……




「10年間、貴方の成長を見守るとともに、私もコレを取得するのに随分と苦労しました。」

どうやら、本当にフォレスト伯爵の心は読めないようだ。

そして、10年間、私を監禁してきた事にも確証が得られてくる…

10年前の、私がまだ10歳の頃は、そんなに能力も強くなかった。

何となく、能力を使って、楽しんでいただけの子供時代。



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