白銀の女神 紅の王



けれど、歳と共にその能力は強くなって来て、知識もつく。

フォレスト伯爵は、それを阻止する為に、私を監禁して監視させたのだろう。

そして、成長した私を制御する為に、自分も閉心術を会得した。



けれど――――


「10年間かけて会得されたところ申し訳ございませんが、私は本当に能力を失いました。」

「……………。」

視線を合わせ、しつこくそう言う私に、さすがのフォレスト伯爵も眉をしかめ、押し黙る。




「よかろう。それでは、この者の心を読んでみるがいい。」

そう言って私の前に差し出されたのは、私をここまで連れてきた男。



「この者が、今から、ここから王城への帰り方を、頭に思い浮かばせます。どうです?貴方も知りたいでしょう?」

コクリ…と頷く。

ジェスを求めて出た王城だったけれど…

こんな形で裏切られ、王城を出た理由を失くした。

裏切られた今でも、私はジェスの事を嫌いになれないけれど。

ジェスが私を必要としていないのなら、私は退くしかない。


そして、私が帰る場所はただ一つ……



帰りたい……




シルバの元へ――――



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