白銀の女神 紅の王
このままフォレスト伯爵の傍にいて、能力が回復したと分かった時。
その時は、私がシルバに背く反逆者になるということ。
それは絶対に嫌……
どうか、私をここに捨てて行って……
そう願いながら、私の運命を握る人物を見上げる。
その人物、フォレスト伯爵は、眉をしかめた後、口を開く。
「この女は連れて行く。何かの役には立つだろう。」
「そんなっ……。」
フォレスト伯爵の言葉に、絶望感が襲う。
「10年間手間暇かけて養ってやったんだ、国王軍が追ってきた時の人質にでもなってもらおう。」
「私は、人質として役には立てないと思います。もう、能力もないですから……」
自分で言っていて悲しくなる。
それに、まず、シルバが私を追ってきてくれるなんてありえない。
シルバが必要なのは、能力を持っている者だけ。
そして、それはもう、私でなくイザベラさんだから……
だから、万が一、シルバが私を追ってきてくれたとしても、人質にはならないわ。
「いいや、お前は十分人質になる。」
……?
何を根拠に……
フォレスト伯爵の含み笑いに、疑問符が浮かぶ。