白銀の女神 紅の王



このままフォレスト伯爵の傍にいて、能力が回復したと分かった時。

その時は、私がシルバに背く反逆者になるということ。


それは絶対に嫌……

どうか、私をここに捨てて行って……



そう願いながら、私の運命を握る人物を見上げる。

その人物、フォレスト伯爵は、眉をしかめた後、口を開く。




「この女は連れて行く。何かの役には立つだろう。」

「そんなっ……。」

フォレスト伯爵の言葉に、絶望感が襲う。



「10年間手間暇かけて養ってやったんだ、国王軍が追ってきた時の人質にでもなってもらおう。」

「私は、人質として役には立てないと思います。もう、能力もないですから……」

自分で言っていて悲しくなる。

それに、まず、シルバが私を追ってきてくれるなんてありえない。

シルバが必要なのは、能力を持っている者だけ。



そして、それはもう、私でなくイザベラさんだから……

だから、万が一、シルバが私を追ってきてくれたとしても、人質にはならないわ。


「いいや、お前は十分人質になる。」


……?

何を根拠に……


フォレスト伯爵の含み笑いに、疑問符が浮かぶ。



< 325 / 531 >

この作品をシェア

pagetop