白銀の女神 紅の王
「きゃっ……!」
離れの小屋についたところで、男から思いっきり背を押される。
両手が縛られていたため、上手く受身がとれず、そのまま地面に倒れ込んだ。
「朝までここに入ってろ。」
縛られたままの手で起き上がり、入口を振り返る。
「逃げようなどと考えない事だ…と言っても、無理だろうがな。」
男は、ニッ…と笑いながら、入口の扉を勢いよく閉めた。
バタンッ――――
段々と遠ざかっていく男の足音。
帰っていく足音は一人分。
ということは、フォレスト伯爵の部下2人が見張りに残されたと言う事。
コレを男から奪ったのはいいけど、これからどうしよう……
そう思いながら、手の中のモノを見つめる。
離れの小屋は、向こうと違って、天窓しかない。
あそこから出るのは無理だし……
そう思って、月明かりが射す天窓を見上げる。
その天窓が、後宮の天窓と重なる―――
シルバは、もう王城に帰ったかしら…