白銀の女神 紅の王



時間は定かではないけれど、ここへ移動するときに見た外は、とても暗く、夜も更けた時刻だと言う事が分かった。


シルバは、今日中には王城に帰ると言っていたから、もう王城に帰っているはず……

急に私がいなくなって、怒っているかしら。

それとも、清々してる?

イザベラさんがいる今、邪魔者は私の方だものね……


ズキッ――――

そんな私が戻っても、シルバは受け入れてくれる?

一旦、王城から逃げ出した私を…


ズキッ――――

ううん、心配するのはここから出てからよ。

痛む胸を無視して、周りを見渡す。


他に何か良い手があるかもしれないわ……



そう考え、小屋の中を調べ始めた―――





数十分後―――


「っ……何もない。」

離れの小屋に、脱出に使えそうなものはなかった。

あるのは、今にも壊れそうな机や椅子といった家具のみ。

縄を切る刃物などは一切置いていない。


「頼みの綱は、コレだけ……。」

部屋の中央に座り込み、男から奪ったモノを見つめていると―――



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