白銀の女神 紅の王
この小屋に近付く、何者かの足音が聞こえる。
その足音に、慌てて扉の方へ近寄る。
耳をそばだてれば―――
「これは、ロメオ様。」
部下の一人が、そう言うのが、扉越しに聞こえた。
ロメオ………?
「こんな所へ何の御用で?」
もう一方の部下も、声をかける。
へらへらとした笑みを浮かべているのは、顔を見なくても分かった。
フォレスト伯爵の息子には、媚を売っておこうと言うわけだ。
「エレナ様に会いに来た。お前たちは暫く席をはずしていろ。」
私に会いに………?
何か嫌な予感がした。
「しかし……。」
席をはずせと言う言葉に、渋る部下たち。
例えフォレスト伯爵の息子でも、命じたのはフォレスト伯爵の為、それに刃向う様な事に抵抗があるのだろう。
しかし――――
「私を通せば、今度、お前たちの昇進を父上に申し出てやるぞ?」
「「本当ですか?」」
ロメオの一声で、いとも容易く態度を変える部下たち。