白銀の女神 紅の王
声が嬉々としている。
「あぁ。分かったのなら、さっさと動け。」
「分かりました。」
ロメオの言葉に、迷いのない声を上げる部下たち。
そして、部下たちが、この小屋から遠ざかっていく足音を聞いて、咄嗟に扉から離れて、部屋の中央に戻る。
キィー……――――
部屋の中央に、腰をおろしたのと同時に、扉が静かに開く。
「エレナ様……。」
扉を開くなり、私の名を呼ぶロメオ。
ロメオは、宴の夜に会った時のように、じとっとした視線をよこす。
バタンッ――――
後ろ手で扉を閉め、口元に浮かんだ笑みに、ゾクッという震えが体に走った。
コツコツ…と一歩ずつ近づいてくる足音。
コワイ―――――
ニタッと笑うロメオに、身がすくむ様な恐怖を感じた。
一歩ずつ近づいてくるロメオから逃げるように、座ったまま後ろに後ずさる。
しかし、ここは狭い小屋。
トンッ…と、部屋の壁に当たる背中。
すぐに、部屋の端まで追いつめられた。