白銀の女神 紅の王



声が嬉々としている。


「あぁ。分かったのなら、さっさと動け。」

「分かりました。」

ロメオの言葉に、迷いのない声を上げる部下たち。

そして、部下たちが、この小屋から遠ざかっていく足音を聞いて、咄嗟に扉から離れて、部屋の中央に戻る。





キィー……――――

部屋の中央に、腰をおろしたのと同時に、扉が静かに開く。



「エレナ様……。」

扉を開くなり、私の名を呼ぶロメオ。

ロメオは、宴の夜に会った時のように、じとっとした視線をよこす。




バタンッ――――

後ろ手で扉を閉め、口元に浮かんだ笑みに、ゾクッという震えが体に走った。

コツコツ…と一歩ずつ近づいてくる足音。



コワイ―――――

ニタッと笑うロメオに、身がすくむ様な恐怖を感じた。

一歩ずつ近づいてくるロメオから逃げるように、座ったまま後ろに後ずさる。



しかし、ここは狭い小屋。

トンッ…と、部屋の壁に当たる背中。



すぐに、部屋の端まで追いつめられた。






< 331 / 531 >

この作品をシェア

pagetop