白銀の女神 紅の王



ロメオがすぐ目の前まで来て、腰を下ろす。




「エレナ様……。」

喉の渇きを訴える様な掠れた声。

その声に、初めてロメオの心を読んだ時のとこを思い出す―――


私に向けられる、激しく、狂おしいまでの“狂愛”


スッと頬に差し入れられた手に、ビクッと体を震わせる。




「もう、話し合いは終わったんですか?」

何か喋らなければ…という意識が働き、咄嗟に口を開く。


しかし……

「いいえ、父上たちはまだやっていますよ。あんな話し合い、何が楽しいんだか。」

ロメオは口元に笑みを湛えながらそう言う。

ゆっくりと頬を撫でる指に、嫌悪感を抱く。



「ロメオ様も、お戻りになられた方が良いのでは?」

引き攣る笑顔を見せながら、提案してみるが……



「僕がいなくとも、話し合いは進みます。」

私の提案を全く聞き入れる気はないらしい。

肌に感じるロメオのすべすべした手が、頬から肩、腕に降りていく。

その間も、ゾクゾクという嫌な感覚は消えない。




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