白銀の女神 紅の王



「お前たちは金の件が済み次第戻って来い。俺は先に帰る」

黒ずくめの者たちに命じて、賭博場を出ようとする男。



「シルバ様!?お待ちください、お一人では危険です」

それを慌てた様子で引き止めようとしたのは、男に命じられた黒ずくめの者たちの一人。


「危険?それは誰に向かって言っているんだ?」

不愉快だと言わんばかりのオーラを放ち黒ずくめの男を睨む。

剣呑な光を放つ瞳に睨まれ、冷や汗をかきながらごくりと生唾を飲み込む部下らしき者。

しかし、ここで引き下がってはならないと思ったのかビシッと体を直立させ、姿勢を正す。



「恐れながら…シルバ様の身にもしもの事があれば、私どもがウィル様にお叱りを受けます」

一見すると男よりも部下たちの方が体格は大きかったが、その瞳には明らかな怯えの色が含まれていた。

男は部下の発言に益々眉間にしわを寄せる。



「お前たちの主人はいつからウィルになった」

男の言葉にビクッと肩を揺らす部下たち。


< 34 / 531 >

この作品をシェア

pagetop