白銀の女神 紅の王
カサッ――――
木の葉を踏みつける音の後に、木の陰から出てくる人影。
しかも、それは一つではなかった。
黒いマントを羽織って、フードを深くかぶった者たちに、いつしか、囲まれる。
背後は泉。
逃げ場はなかった――――
「お前たち…何者だ?」
シルバは、私をゆっくりと下ろし、その者たちを見据える。
シルバの問いに答えたのは、その黒ずくめの男たちではなかった。
「貴方の忠実なる家臣ですよ。」
森の中から、愉しそうな声が響いた。
まだいたの?…と思いつつ、視線を向ければ…
「お久しぶりです、シルバ様。」
「ッ……フォレスト伯爵。」
木の影から出てきた人物に、息を飲んで驚愕した。
隣には、当然のごとくロメオとジェスがいる。
フォレスト伯爵は私に視線を向けると、フッと笑い、口を開く。
「エレナ様、いけませんな…我が息子を誑かしてお逃げになるとは。」
そんなっ……
もう、追いつかれたの……?
「まさか一服盛られるとは思いませんでした。」
ロメオのニヤリと笑う表情に、ビクッ…と体が震え、逃げ腰になる。