白銀の女神 紅の王
けれど、腕を掴む力が緩む事はなかった。
そればかりか、より強い力で掴まれる。
「騙されるのが落ちだぞ?」
シルバの言葉に、グッ…と唇を噛みしめる。
「あの男は王位を狙っているんだ。俺が一人のチャンスを逃すわけがない。そうだろう?」
シルバがフォレスト伯爵の方を見据えて問いかければ…
バレていましたか…とわざとらしい表情。
「純粋なエレナ様は騙せると思ったんですけどね。」
そんな………
私は、また足手まといになるの?
シルバの為に、何も出来ないの?
どうしょうもない自分に、愕然と肩を落とした。
項垂れる私を、シルバは再び後ろへ移動させ―――
「エレナを手に入れるチャンスだったが、残念だったな。」
「いいえ。結果は同じ事ですよ。貴方を倒してエレナ様を奪えばいい。」
お互いに、火花を散らせ合う両者。
今にも飛び出しそうなシルバの背中を、オロオロとしながら見守る。
行かないで………
そんな淡い願いは、一瞬で消えた――