白銀の女神 紅の王
「やってみろ。」
ハッ…と息を飲む。
「シルバ…ッ!」
咄嗟に、後ろからシルバの衣服をキュッ…と掴みながら叫ぶ。
しかし――――
「エレナ、離れていろ。」
シルバは、前を見据えたまま、後ろ手で私を自分から遠ざける。
「でもっ……!」
なにか…嫌な予感がするの……
このまま離れてしまえば、シルバと一生離れ離れになる様な…
そんな漠然とした不安が、胸に巣食う。
「大丈夫だ、奴らはお前に手出しはしない。」
「ちがっ……。」
そうじゃない。
私が心配しているのは、自分の身じゃない。
貴方なの……
そう言いかけた言葉は、シルバの言葉によって遮られる。
「いいから、離れていろ。」
「ッ…………。」
本当はシルバの傍から離れたくはなかったけれど。
きっと、私がこのままここにいれば、シルバは私を庇いながら剣を交えることになる。
そうなれば、当然、私が足手まといになる事は目に見えていて…