白銀の女神 紅の王



呼びかけに応えないシルバに焦りは強まるばかり。



避けたシルバを追うように、続けざまに剣を振り上げてくる。


いや……やめてッ…!



「シルバッ!」


お願い……避けてッ……

その願いが届いたのか、シルバは切りかかってきた男を一太刀で倒し――



「……大丈夫だ。そこでじっとしていろ。すぐ行く。」

頬に流れる血を拭いながら、一瞬こちらを振り返って、短くそう言うシルバ。

そう言っている間にも、一人を地面に倒した。



ほっと安堵する。

大丈夫………

私がじっとしていれば……

不意をつかれない限り、シルバなら大丈夫よ。

まるで暗示のように、自分に言い聞かせた。




しかし――――



あれ………?

ふと、目の前の光景に違和感を感じる。

シルバと剣を交えている者。

そして、地面に倒れている者。





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