白銀の女神 紅の王
やっぱり………
一人…足りない……?
全身黒づくめで、一見すると気付かないけれど。
昨日小屋にいた人数よりも、一人少なかった。
確かもう一人いた様な……
記憶を頼りに、辺りを見渡す。
すると、ある一点に目が止まった。
森の中、シルバの死角になっている木の陰に隠れる、フォレスト伯爵の部下。
その隣には、ロメオもいた。
ロメオは、ニヤリとあの嫌な笑みを浮かべながら、部下に何やら指示をしている様子。
あんなところで何を……
訝しげに思って見ていれば―――
部下が黒いマントの下から、弓を取り出した。
次に矢を取り出し、それをロメオの持っていた壺の様なものにつける。
そして、ゆっくりと構え、弓をしならせる。
「ッ………!」
ロメオたちの視線の先には、フォレスト伯爵の部下と交戦するシルバの姿。
ッ……まさか……!
ドクッ…ドクッ…と、心臓が再び嫌な音を立てて鳴り響く。