白銀の女神 紅の王
あっという間に距離を詰め、目の前でひらりと馬から降りるデューク。
こちらへ近寄って来るデュークは、いつもの茶化すような笑みはなく、固い表情をしていた。
「邪魔をするな、デューク。」
苛立たし気に吐き捨てる。
常人なら、震えあがるところだが、デュークは…
「お前、今何をしようとしていた。」
眉間にしわを寄せ、落ち着き払った声で口を開いた。
いつもは、あしらうことなど造作もないが、今日は酷く苛立つ。
「煩いッ!お前は黙っていろ!」
漸く追いつめた獲物を前に、邪魔をされたことに苛立ちの声を上げた。
そして、怯えるフォレストたちに向け、再び剣を振り上げようとすれば…
「シルバッ!止めろ!」
今度は、声を荒げたデュークによって腕を掴まれる。
「何故止める…ッ!」
この時の俺は、完全に我を失っていた。
冷静な判断力など欠片もなく、ただ、フォレストの息の根を止めてやりたいと言う事だけが頭を支配していた…
「落ちつけ!ブレイムの配下と反逆者の全てを洗い出す為に、コイツはまだ必要だ。」
「そんなもの、頭であるコイツを殺れば済む事だ。」
デュークに腕を掴まれたまま、ギラギラと殺気を放つ瞳で、目の前の獲物を睨みつける。