白銀の女神 紅の王
「待てと言っているだろうがッ!」
もはや、フォレストを殺ることしか頭にない俺に、デュークが悪態をつく。
そして、俺を睨みつけながら、駆け足で口を開いた。
「確かに、頭である者を殺れば、その組織は壊滅状態になる。だが、それは統率された組織だったらの話だ。」
そう言いながらも、腰の抜けたフォレストたちを見据え、苛立たし気に眉間にしわを寄せ…
「こいつらの組織はどうだ?こんな、小物が組織の頭だったんだぞ?こいつ一人を殺ったって、反逆者どもは必ず再編化する。そうなれば、同じ事の繰り返しだ!」
デュークの言葉に、ギリッと唇を噛みしめながら、衝動に耐える。
剣を掴んだ手は、力を込めすぎて白くなっていた。
そんなことは、分かっている。
これは、一国の国王として許すまじき行動だと言う事を…
国に仇なした者を、個人の感情だけでどうこうして良い問題ではない事を…
立場が許さない事は、百も承知だった。
しかし……――――
「今は耐えるんだ。」
「だがコイツは、エレナを…ッ!」
腕を掴むデュークの顔すら見ずに、目の前のフォレストを鋭く睨む。
「エレナ?」
横から、デュークの訝しげな声が上がる。