白銀の女神 紅の王
「どうなんだッ!」
ガタガタと震えるロメオに、声を張り上げる。
「エ、エレナ様に当てる気は…「そんなことを聞いているんじゃない!」
言い訳がましいロメオの言葉に、苛立ちは最高潮に達する。
「エレナを打った矢に、これを仕込んだかと聞いているんだッ!」
朝の静けさの中、冷たい空気を振動させるように叫べば…
コクッ―――――
震えながら、頷くロメオ。
頭にカッと血が上るのを感じ……
ガツッ―――――
ロメオの左頬を、力の限り殴った。
「カハッ……!」
「ロメオ!」
地面に倒れるロメオに呼び掛けるフォレストを振り返る事もなく、エレナの倒れている泉へ走り出していた。
マズイ………
矢が刺さってから、どれほど時間が経った?
何故、もっと早くに気付かなかったのか…
心を占めるのは、そんな後悔ばかりだった。