白銀の女神 紅の王
「エレナ!」
エレナの体を抱き寄せ、叫ぶ。
もう、あの銀色の瞳が開かれる事はないのではないか…
最後に見せた、あの笑顔を二度と見る事が出来ないのではないか…
そう思うと、息苦しさを覚える程の焦りを感じる。
「目を開けろッ!」
「シルバ、落ち着くんだ。」
ポンッ…とデュークが俺の肩に手を置く。
「エレナは必ず助かる。」
真っ直ぐな漆黒の瞳が、こちらを見据える。
その真摯な瞳に、我に返った。
そして、デュークの言葉に、ゆっくりと頷く。
エレナ……
お前は必ず助ける……
「まずは、その矢を抜くぞ。救護班!」
デュークは手際良く、救護班に命じ、必要なものを用意させる。
「俺がやる。」
そう言って、エレナを正面から抱き直す。
エレナの頭を肩に乗せ、左手で腰を固定する。
「痛むぞ……」
呼び声にも反応がなかったと言うのに、エレナの耳元でそう囁き……
エレナの背に刺さった矢に、手を伸ばす。
そして―――――