白銀の女神 紅の王
「“シルバ”という名前だけしか知りません」
そう言うと、シルバの眉がピクリと動く。
恐らく敬称を付けなかったことが気に入らなかったのだろう。
ウィルも驚いた顔をしている。
そして、主人をなだめ、引き続きウィルが口を開く。
「そうでしたか…。まぁでも、あそこに長く監禁されていたんですから、しょうがないですよね」
そう言って優しい微笑みを見せるウィル。
直感的にこの人は自分に危害を加えないだろうと感じた。
しかしそんなニコニコと優しい笑みを浮かべるウィルから、次に投下された言葉は驚くべきものだった。
「こちらはシルバ・アルスター。この国を統べる王です」
サラリと言ってのけた言葉はともすれば、右から左へ聞き流してしまいそうなほどで…
「っ……王様…ッ!?」
この人がアークの国王?
ウィルの言葉に大きな衝撃を受け、一歩二歩と後ずさる。