白銀の女神 紅の王



「アルスターの名も知らなかったのか?」

鋭い視線を向けるシルバにビクッと体を震わせる。


「はい…」

確か私がまだ10歳の頃は、アルスター王家じゃなかったような気がする。

古い記憶をたどるもそれだけしか浮かばなかった。



ここ10年で政権も変わったのかもしれない…

何しろ10年間外世界に触れていないのだ。

政権が変わるのも不思議ない。



こんなに若い王が即位しているとは思いもしなかった。

前にジェスが“この国の王は冷酷無比で戦好きな王”だと言っていたことがあった。

あの時は外世界に行くわけでもない自分には関係ないこととして聞き流していたけれど、今はジェスの言うことが分かる。



最初感じた印象は間違っていなかったんだ……

シルバから冷たく抜き身の剣のような危うさを感じたことを思い出す。

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