白銀の女神 紅の王
後宮に侵入者が入った時から、エレナが狙われていたことは分かっていたはずだ。
そして、その時にエレナを手離しておけば、このような事態にはなっていなかったかもしれない。
奴らの狙いがエレナだと言うことに早く気付いていれば……
あの時―――
イースト地区の暴動が起こった時、エレナも連れて行くべきだった。
そうすれば、きっと……
きっと、何だ?
守り切れていたか?
あの時の俺は、奴らの狙いがエレナだと言う事に気付いていなかった。
国王の座が狙いだと思っていた俺に、エレナを守りきれたか?
断言はできない。
俺はこのアーク王国の国王だ。
国王として、民を守る義務がある。
国を再建すると言う責務がある。
そんな中、暴動の起こるイースト地区にエレナを連れて、守りきれたと言う保証はない。
ならば、俺とエレナの出逢いから間違っていたのか?
俺が、エレナの能力に目をつけなければ…
エレナと言う存在を知らなければ、エレナは傷つかなかったかもしれない。