白銀の女神 紅の王
投げやりともとれるその言葉。
ついこの間まで、この男を殺そうとしていた自分の所業は棚に上げて、その言葉に苛立ちを感じる。
今この時も、必死に生きようともがいているエレナを想うと、我慢がならなかった。
「そうか、お前は死を望むか……」
静かに口を開く―――
「ならば、お前は殺さない。」
「ッ………!」
息を飲んで驚くフォレストと、部下たち。
デュークは、表情を変えず、ただ黙って事の次第を見守っている。
「ッ……何故だッ!」
痺れを切らしたフォレストが叫ぶ。
「お前は、爵位を没収後、国外追放の刑と処す。」
「ッ………!」
理由を求めるフォレストを無視し、罪状を告げる。
ほう…面白い、と口元に笑みを浮かべるデューク。
厭味ともとれる笑みを向けるデュークを一瞥し、再びフォレストを見据える。
「地位も金もない…お前が蔑んだ民の様に、生きながらえながらその罪を償え。」
唖然とするフォレストに、ただ、そう告げて部屋を出た―――