白銀の女神 紅の王
尋問が行われていた部屋を出て、執務室へ向かい…
ウィルが持ってきた書類を抱えて向かったは、後宮だった。
キィー……――――
「シルバ様?」
後宮に入るなり、驚いた声を向けられる。
その方向を向けば、ちょうど花を変えていたニーナが視界に入った。
いつもはこんな時間に戻ってこないので、驚いたのだろう、目を丸くしている。
「ニーナ、今日はもういい。後は俺が看る。」
この言葉に、ニーナはパァっと表情を明るくし、はい!…と満面の笑みで答える。
アイツらとは違い、嘘偽りのない純粋な笑顔だ。
お役御免だと言うのに、笑顔で後宮から去っていくニーナに、少し笑みが零れた。
ニーナも8日前に比べれば、ましになった方だ。
エレナを瀕死の状態で連れ帰った時は、泣きじゃくって仕事にならなかったからな。
どこのどいつが慰めたのか……
ある人物が頭に浮かび、フッ…と笑みが零れる。
書類をベッドサイドの机に置き、エレナに視線を移す。
皆がお前の目覚めを待っている。
今日もベッドで眠り続けるエレナの頬に手を滑らせ…
「エレナ……」
こうして呼びかけるのも、日課になっていた。