白銀の女神 紅の王



だが、それは新たな憎しみを生みかねない。



あんな奴でも家族がいる。

他に、愛される者がいるかもしれない。



そう考えると、怒りも抑えることができた。

別に、フォレストの事を想う人間の気持ちをくんだ訳ではない。

俺はただ、フォレストを殺し、その者たちが新たな憎しみを持って動き始めた時。

その憎しみの矛先がエレナにまで向く事態を避けたいだけだ。



全てはエレナのため……



そう思えば、フォレストに下した処分にも納得がいった。

アイザックスの部下として、両親の死に関与していた事。

そればかりでなく、王位を奪うために、エレナを狙った事。

この処分で、もう…過去は清算する。




「フッ……俺も甘くなったものだ。」

思わず自嘲的な笑みが浮かぶ。

冷酷で冷徹な王の二つ名が嘆くな…




俺を変えたのはお前だ、エレナ。

俺にこれだけの事をさせておきながら、自分はこのままいなくなるなど許さない。

必ず目を覚ますんだ。



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