白銀の女神 紅の王
そう、強く願ってエレナの頬から手を放す。
エレナの寝ている間にもやらなければならない事は山ほどある。
その一つが、この書類の山。
ベッドサイドの机に置かれた山の上から、束になった報告書を一つ取る。
よくもまぁ、こんなに短期間でここまで反逆者を捕まえられたものだ。
ウィルとデュークはどんな尋問の仕方をしたんだ…と聞きたくなる。
しかし、エレナの力を借りないと決めた今、どんな方法でも結果さえ出せばいい。
この8日間、ウィルやデュークがやってきた尋問は、エレナの能力があれば、途端に終わる。
しかも、直接相手の心を読むから、確実だ。
だが、エレナの能力は目立ち過ぎる…
そして、人の心が読めると言う能力があるが故に、本人の意思とは無関係に利用される。
俺もその一人だったが……
もう、エレナの力には頼らない。
ただ、居てくれるだけでいい……
他には何も望まない。
だからこそ、フォレストの配下は俺たちだけで捉えなければならない。
残りはあと僅かなのだがな…
報告書を読んだ上で、反逆者たちの処分を決めねばならない。
そう思いながら、手もとの書類を捲り、エレナの眠るベッドの横で仕事を始めた―――