白銀の女神 紅の王
「ひゃッ………」
もう一方の腕で腰を掴まれてからは一瞬だった。
力の入らない体は、抵抗なくシルバの広い胸に治まる。
勢い余った体を抑える様に、シルバの胸に手をつけば…
フワッ―――――
シルバの腕が背中に回る。
先程腕を引いた力とは真逆。
とても優し腕に、抱きしめられる。
まるで真綿で包まれている様な…
「エレナ……」
優しく耳元で囁かれる声は、私をこの世界に引き戻してくれた声。
耳から浸透するその声は、心からの安堵をくれた。
「シルバ……」
「ッ………!」
やっと掠れた声でそう呟けば、耳元で息を飲む音が聞こえ、抱きしめられた腕がさらに強まる。
ピタリと隙間なく抱きしめられる力は、少し苦しいくらいに。
けれど、今この瞬間の喜びを噛みしめる自分がいた。