白銀の女神 紅の王



「エレナ…様……?」

幽霊でも見ている様な声を上げるニーナ。

元々丸い瞳は、限界まで見開かれている。


その呆けた顔を見ながら、体を起こそうとすれば…

シルバの手が、背中に回り、ゆっくりと起こしてくれた。

そして、パクパクと声にならない声を上げながらこちらを見つめるニーナに視線を向け、口を開く。




「おはよう、ニーナ。」

ニーナに向かって声をかければ、ピクッと肩を揺らし…



「っ~~~~。」

やっぱり声にならない声を上げ、見開かれていた瞳を細める。

うるうると潤んでいく瞳が涙を湛えたかと思えば…




バタンッ――――




「み…みんなぁぁぁーーー」

後宮から勢いよく飛び出て、行ってしまった。

ニーナの大きな声が木霊するのを耳で聞きながら、クスッと笑う。



「騒々しい奴だ。」

隣で呆れ声を上げるシルバ。



「そうですね。」

フフッ…と笑いながらシルバの意見に同調すれば、こちらを見て目を見開くシルバ。



「…………?」

その瞳を見つめながら疑問符を浮かべると、バッと視線を逸らされた。




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