白銀の女神 紅の王



キィー……―――

後宮の扉がそっと開く。



入って来たのは、言うまでもない。

後宮へノックなしで入って来られる人物など一人しかいないから…




「シルバ様!」

私の心を掻き乱している張本人の名を、ニーナが呼ぶ。

しかし、シルバはそれに応える事なく、後宮に入るなり口を開いた――



「行くぞ。」

「え?」

ただ一言そう告げられた言葉に、意味も分からず戸惑う。




「地下牢へ行きたいと言ったのはお前だろう。」

「……連れて行って…くれるんですか?」

“勝手にしろ”と言っていたので、てっきり、自分一人で行くのだと思っていた。

自分でも呆けた声を出せば、シルバは眉を寄せ…



「行かないなら戻るぞ。」

「い、行きます!」

来た道を戻ろうとするシルバに、慌てて駆け寄る。



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